君と笑えるなら・・・

9 風の行方

 

あの日から神田は僕の前には姿を現さない。

別に任務に行っているわけではないらしい。

僕を避けているのだ。

 

「あっアレン君!」

声がした方を向くと、そこにはリナリーがいた。

「何?どうしたの?」

 

「なんか神田君が呼んでたよ。食堂に来てくれだって。」

そうリナリーは言い終わるとスタスタと行ってしまった。

 

僕はまた胸を弾ませながら食堂に向かった。

少し下向き加減に早歩きしながら入り口に入った。

その時、突然腕を引かれ、そのままどこかの部屋に入れられた。

 

「なにするんですか!」

アレンは顔を上げながら声を荒げ言った。

「・・・」

目の前には何も言わず見つめる神田。

任務の時のようなキツイ目をしている。

 

「ど・・・どうしたんですか?」

アレンは少し戸惑いながら言った。

「・・・」

また重い沈黙が走った。

 

 

かと思ったその時・・・いきなり肩を抱かれた。