君と笑えるなら…

7 俺の声

 

何か言うわけでなく、何もするわけでもない。

只々、時間は過ぎていく。

それなのに、なぜか二人は満足そうな顔を浮かべていた。

「なんだろうなぁ・・・」

そう口にしてみる。

「あぁ?」

やっぱりいつまでも、素っ気無い声が返ってくる。

それがまた心地良く感じてしまう。

 

「なんでもないですよ。」

 

「・・・」

 

そんなやり取りが何度か続いた。

 

「神田・・・なんで最近、僕の周りにいるんですか?」

今までずっと気になっていたことを口に出した。

 

あ…気に……だよ…

何か小さな声でボソボソと聞こえてきた。

「えっ?何ですか?」

時には素直というのは人をここまでも追い詰めるのか。

というほどに神田は、追い詰められていた。

 

お前が…あん…まり…モヤシだ…か…心配だ…んだ。

微かに聞こえた部分で判断していいのだろうか…

そんな疑問を浮かべつつも、アレンは少し嬉しかった。

嬉しがっている自分が信じられなかった。

だけど・・・