君と笑えるなら・・・

6 一歩前へ

 

シーンとした中、最初に動いたのは神田だった。

神田は何も言わず、静かにアレンの少し下の湯の中に入った。

また気まずい沈黙が続いた。

 

次に沈黙を破ったのはアレンの腕の中にいたネコだった。

「ニャッニャァ〜」

ちょっと暴れた後にネコは湯から上がり、二人を残して出て行った。

神田は少し咳払いをしてアレンを見やった。

 

「任務だったんですか。」

とアレンはぶっきらぼうに言った。

「あぁ」

と返事があり、その後はまた気まずい沈黙が流れる。

 

それに耐え切れなくなったアレンは湯を後にしようとした。

「おっおい。」

後ろの方から遠慮がちな声がした。

不思議なこともあるもんだなとアレンは思いながら、振り向いた。

「何ですか?」

 

神田は何も言わなかった。

何も言わず、アレンを見ていた。

 

見られていることに気づいたアレンは真っ赤になった。

「何なんですか?」

そういいながらアレンは少し身体を隠した。

 

「もうあがるのか?」

またぶっきらぼうな感情のこもってない声がした。

「えぇまぁ、結構入りましたから。」

「そうか・・・」

――少し、悲しそうに聞こえるのは僕だけだろうか。――

そんなことを考えながら、なぜかアレンはまた湯に入っていた。

 

 

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お風呂・・・ちょっと長くまりますね・・・
はじめての話なんで、どこまで書こうか悩んでますww