愛でた花、咲き誇れ
1.始まりの音
服が散らばっている…
「汚っっねぇ部屋…。」
ボソッと呟き、部屋の中に歩み入る。
「何か言った?」
ニッコリ笑いながらラビが振り向く。
「……」
神田は何も言わずに着いて行く。
「今日はさぁ、二人で話でもしようかと思ってさぁ〜」
ラビはお気に入りの椅子に座りながら神田に向かって言った。
――ジー(俺はお前なんかと話すことはない。)
誰もがその睨みを見たら心中を察しただろう。
だが、それもこの人の前では意味を持たない。
「なぁユウ…ここ座れば?」
一応疑問系だが、神田でさえ断れない何かがある…
無言を通し、神田はラビのそばにある椅子に座った。
「ユウ…お前、最近俺と遊ばないよなぁ〜」
こいつは何を考えているんだろう。
ラビの質問の意図が分からず、少し混乱した。
足をバタつかせながらラビは神田を見た。
「ユウ……
お願いだから……
俺を避けないで……。」
これが俺達の始まりだった。
何の?
今でもよく分からない。奇妙な関係の始まり。
頭はそう思っている。
それでも、俺達は離れられなかった。