愛でた花、咲き誇れ
6 行方
「おい!!あいつ行ってる任務ってどこだ。」
すごい剣幕でコムイに近づいた。
思いつめたような顔。
みんなが知っている顔ではない。
「あいつって誰のこと?」
コムイは驚きながらも冷静に言った。
「ラビだ…。」
暗く言う神田の肩がいつもより小さくて、神田とは思えない。
「あぁ…。今、山に入ってるよ。」
コムイは目を伏せ、軽く言った。
山?
どこの山だよ。
神田の目はそう言っていた。
「危険ではないはずだよ。何できにするの?」
コムイは神田に目を走らせ、鋭く言った。
危険ではない?
まさか…全然そうは見えない。
行く前のあいつの顔を見たか?
態度を見たか?
危険じゃないはずがない!!!!
神田の中でグルグル巡る。
「別に。帰りが遅いと思っただけだ。」
何もないことを装った。
「じゃぁもういい。」
これ以上ここにいても仕方がない。
あいつは帰ってくる。
そう信じて、神田は自分の部屋に戻った。
その途中に、アレンから話しかけられたことさえ気づかずに、部屋に戻った。