君と笑えるなら…

  2 迎える明日

 

ちょうど300回目を終了したとこで朝を迎えた。

今までの僕なら一人だった。

少し楽しい気分が僕の胸の中に居座る。

 

食堂に何を食べようか考えながら向かった。

ハッと前を向くとそこには神田がいた。

 

「なんですか?」少し棘のある声がでた。

昨日の今日ですぐに慣れるわけがない。

「……」無言のまま、スタスタと行ってしまった。

自分から来たくせに何なんだあの人は。

 

食堂。広々とした空間。

今日はいっぱい食べるぞ!という勢いで注文した。

その時、食堂内が雑談のざわめきが静まり返り、怒鳴り声が響いた。

 

「なんだとコラァ!もういっぺん言ってみろ!」

ファインダーの一人が神田に向かって怒鳴っていた。

何があったのかと、耳を澄ました。

神田の後ろで追悼をしていたらしい。

それに気分を悪くした神田が毒を吐いた。

 

なんでこの人はこうなんだろう…と少し頭を抱えた時だった。

神田がそのファインダーの首元を掴み吊るし上げた。

 

「ストップ。関係ないとこ悪いですけど、そういう言い方はないと思いますよ。」

と神田の手首を掴む。

 

「……うるせぇモヤシ。」そう言って、神田は視線を外した。

心なしか、手の力も緩んでいるようだった。

 

モヤシ…とことん気に入らない人だ。

その後は神田が手を離し納まった。

 

僕は食事を終え、自分の部屋に戻ろうとしていた。

その時、また僕の前には神田がいた。

なんだかついて行ってるようで嫌になった。

僕は立ち止まり、窓の傍に寄った。

 

神田は少し、僕を見やりそのまま行ってしまった。

何なんだいったい…。

僕のことをまだAKUMAと疑ってるのかな…