君と笑えるなら…

18 愛しています

 

 

 

視線は部屋中を駆け巡った。

二人は決して合わせようとはしない。

それでも、相手の行動が気になる。

 

「あ…あの…さっきはすみません。」

すごく謝りたかった。

怖かったんだ。

嫌いなんじゃない。

 

怖さは人に拒絶を生み出す。

どんなに相手を思っていても、怖さはそれを上回ってくる。

「本当に…グスッ…す…すみま…せん…ぅ」

自然とまた涙が出てきた。

今まで泣いていたから、止まらない。

「うぅ…フゥ…」

息を落ち着けようと上を見た。

 

――フワッ

 

「えっ?」

すっぽりと僕はユウの腕の中にいた。

「……泣くなよ。悪かった。」

困惑した声が上から降ってきた。

心地よいぬくもり。

僕は離したくなかった。

 

――ギュっ

 

僕はユウの服を掴んだ。

 

――?!

 

「…フンッ」

鼻で笑ったユウだが、嬉しそうだった。

ユウは首筋に顔を預け、呟いた。

 

 

 

 

 

 

『ごめん。でも………止められない。』