君と笑えるなら…

17 後悔

 

 

 

僕は扉の前で膝から倒れこんだ。

一気に疲れが身体を襲う。

何だったんだ…

いきなりの神田の豹変振り。

頭が混乱している。

 

神田…いや…ユウ。

僕はまだユウを知っていなかったんだ。

僕が思っているような半端なものではなくて、ユウはもう……

 

涙が溢れた。

怖かった。

今までいろんなアクマと戦っていき僕は一人の人間を怖いと思った。

僕はユウを好きだ。

それなのに、怖いと思った。

 

それだけじゃない拒んでしまった。

そのことでユウを傷つけてしまったのではないか…

そんな思いが溢れ、涙となった。

 

「うぅ……グスッ…」

扉の前でうずくまっていた。

ユウの部屋を通り過ぎる者達が「どうしたんだ?」と聞いてくる。

それが鬱陶しいと思っても、体が一向に動かない。

周りがオロオロとして通り過ぎる中、一人は違った。

 

ずっとアレンを見つめる視線。

その視線に気が付いたアレンは顔を上げた。

 

「いつまでそうしてるんさぁ。」

キツイ声でラビが言った。

「立つさぁ。そこにいたら目立ってしょうがないさ」

そういうなり、ラビはアレンの腕を引っ張った。

 

「いっったいですって…」

無理やり立たされたことで少し泣き止んだ。

ラビは立たせたかと思うとおもむろに、ユウの部屋の扉を開け、アレンを放り込んだ。

 

――バタンッ

 

アレンとユウの視線が合う。

無理やり入れられたため転んだアレンとベットの上に重なっているユウ。

二人は同時に立ち上がり、視線をそらした。