君と笑えるなら・・・
15 止まらない
「……」
口がパクパクして声が出ない。
「フッ」
滅多に聞くことは出来ない笑い声が今僕の前にいるユウの口から発せられた。
ボーっとしている僕の顔を見てユウはまた唇を重ねてきた。
目が飛び出るほど驚いた僕は腕を振り上げた。
「やっ……やめてください!!」
精一杯抵抗したのち出たのは情けない震えた声だった。
「やめれないね。」
と鼻で笑いながらユウは言った。
あ…人格が変わったぁ〜〜?!
どぉ〜しよぉ〜!!!
あまりの驚きで思考回路が破壊され、話し方までおかしくなってきた。
「何、冗談言ってるんですか…僕は男ですから…」
そういいながら、ユウの腕から逃れようとする。
「……」
無言で腕を掴まれる。
「…イッ…」
物凄い力で掴まれた。
振り払えない力。
僕の力が弱いんじゃない。
気持ちが払えないんだ。
「……」
軽い抵抗しかできない。
下を向くしか出来ない。
僕に出来るのはこれだけだった。
「抵抗なしか…」
人格が変わってしまったユウはとにかく楽しそうな声を出す。
「本気で抵抗しなければ、大変だぞ。」
変な忠告をしながらユウは僕の身体を乱暴にベットに投げた。
「うっ…」
軽いうめき声を出す。
僕の上にまたぎながらまた鼻で笑った。
「……やめてください!!」
――バチン
僕の右手は上手い具合にユウの左頬に命中した。