君と笑えるなら…
14 嫉妬
ビックリして声が出せないらしい。
そんな顔をしたユウがとても可愛く見えた。
今まではあんなに腹を立てていたのに。
「…お前、ラビと会ったんだな。」
今まで驚いた顔をしていたはずなのに、今目の前にいるユウは目が釣りあがっていた。
声もドスがきいていた。
「会ったんだな?」
低い声で迫ってくる。
一歩ずつ後ろに下がるが扉にぶつかってしまった。
取っ手に手をかける。
「ちょっと出直すよ。」
クルッと反転して扉を引こうとした。
――グッグッ
少し嫌な音がした。
後ろを向くと、そこにはすごい形相をしたユウが扉に手をかけていた。
「会ったんだろ?」
まだそのことを聞いてくるのか…
「……えぇ。あっちから寄ってきたんです。」
僕は目を伏せて言った。
――グィ
僕のあごを掴んでユウは自分の方を見せた。
「近づくなって言っただろう。どこで会ったんだ?」
イライラしてるのが分かる。
ユウはそういうの隠せないんだな…なんて悠長に考えていた。
「……通路ですよ。」
ボソボソと言った。
沈黙が痛い。
うぅ…どうしよう。
いつまでもあごを掴まれているのは辛い。
「あの…離してください・・・?!」
――チュッ
そういうな否や、僕の唇はユウで塞がれていた。