君と笑えるなら・・・

12 以上

 

「あぁ、でもユウって呼ぶと怒るんさぁ〜。」

普通に返してくるラビに少し腹が立った。

他の人が聞いたら、『そうなんだぁ〜』で終るところが苛立つ。

 

いつからか僕の心の中には神田がいた。

頭の中で『ユウ』と呼んでみる。

もちろん返事はない。

それでも、何か僕には新たな神田が生まれ、嬉しくなった。

 

ラビの口から聞いたというのは少し気に食わなかった。

 

「へぇ〜そうなんですか。」

平静を装う。

思った以上に声が震えていた。

咄嗟に下を向いた。

「・・・アレンも呼んでやれよ。アイツ掴みかかってくるさぁ〜」

何も無かったかのように話続けてくれた。

確かに気づいたはずなのに。

 

「言ってみます。」

今度は震えず、冗談のように言えた。

顔を上げ、僕はラビと別れ前に進み始めた。