君と笑えるなら…
1 最悪の出会い
「こいつアウトォォ〜〜〜!!!!」と門番が叫んだ。
アウトと言われた奴を見据える。
「一匹で来るとはいー度胸じゃねぇ〜か…」
黒い髪を一本に結び、颯爽と現れる。
その名も神田ユウ。
「あっカンダ……って名前でしたよね…?よろしく。」
アレン・ウォーカーと名乗ったそいつは手を差し出した。
「呪われた奴と握手なんかするかよ。」そう言って、そのまま立ち去った。
…差別。僕はワナワナと怒りで震えた。
リナリーが言うには神田は任務から戻ったばかりで、気が立ってたらしい。
それにしても酷い。
何も悪いことはしてないし、あの態度は気に入らないな。
そう思いながら、僕は教団内をリナリーに教えてもらった。
黒の教団に入った今日はいろんな出来事があった。
カンダといういけ好かない奴がいること。
ここが「ホーム」と呼ばれていること。
スタートラインに立てたこと。
すべてが嬉しかった。
マナと誓ったことを果たすんだ……。