刀傷

 

5 魅惑の舌

 

「ぅおい!!!!」

壁に押し付けられたムゲンは苦しそうに吐いた。

 

「わかってない…お前のその狂気にどれだけ…」

そこまでいってジンは口を紡ぐ。

 

「あぁ?!ぃいから離せや!!」

そんなムゲンの言葉を無視し、ジンは首筋に口を這わした。

 

――チュッ…

 

痛いくらいのキスをされた。

しかも男に…

ムゲンは抵抗できずに固まっていた。

 

「…これでわかっただろ?お前はもう少し気をつけろ…」

ジンはそう言って手を離し自分の布団へと戻った。

 

いやいやいや…わっかんねぇよ!!!!

 

心の中で叫ぶ声は当然の如くやつには聞こえず、ムゲンはその場に崩れ落ちた。

首が熱い…何なんだよ!!!!

 

――舌打ちをしたムゲンはそこから一歩も動かずにその場で夜を過ごした。

 

…

 

…

 

…

 

――ツゥー…

 

何か濡れた感触、すぐには目を開けることが出来なかった。

首筋に這う。

柔らかい感触、暖かいぬくもり。

首から下へと流れていく。

そこまで行くと我慢が出来ない。

目を開け押し倒す。

 

……

 

「また、お前かよ…」

ムゲンは大きな溜息を付いた。

自分が押し倒したのは大の男・ジンだった…

 

「いい加減にしろよ!!!」

ムゲンはそういうと身体を離した。

 

「…無防備に寝てるお前が悪い。」

そう言ってジンは部屋を出て行った。

 

なかなかつかめない男に頭を悩ます。

しかし、身体はさっきの感触を求め少し疼いていた。