刀傷
1 出会いは突然に
江戸時代、日本を騒がせる二人…ついに出会う。
静かな町並み。
その中の茶屋から悲鳴が聞こえ始めた。
「俺の親父はここの代官なんだよ。いいのか?こんなことして。」
と余裕の笑みを浮かべながら男が言った。
刀を手にした男が近づく。
――バサッ……
――シーン
「お…お前わかってんのか?」
先ほどの笑みを凍らせ、男は汗を流しながら言った。
「あ゛ぁ?わっかんねぇ。」
刀をかざしながら男は顔を近づけ言った。
「わ…分かれよ!世間の常識だぜ!」
焦りながら男は言う。
「常識?知ったこっちゃねぇ。こちとら琉球生まれよ。」
二カッと笑った男はワイルド系二枚目?だ。
「い…今、お…親父の所には柳生の凄腕が三人もいるんだぞ。」
汗を流しながら、一生懸命笑いながら言った。
「………よっし。手ぇ〜出せ!!」
話の方向が分からないまま男は手を出した。
「んじゃっそいつら連れて来い。お前らじゃ役不足だ。指折り待っててやる。」
「ひとぉ〜〜〜〜つ」
――ボキッ 「ギャァ〜〜〜〜」
「ふたぁ〜〜〜〜つ」
――ボギッ
「ひっ…ひぃ〜」
男の周りにいた連れ達が急いで出て行った。
「めんどくせぇな。んじゃっ全部!」
そう言って琉球男は全部の指を折ろうとした。
――カラカラカラ…
「すまん。取り込みちゅうか?出直す。」
腰に刀を下げた長髪のメガネをかけた男が入ってきた。
「お前か?凄腕ってのは。」
ニヤッと笑いながら男は自らの刀に手をかけ、斬りかかった。
「人違いだ。そいつらならさっき斬ってきた。」
かわしながら男は応えた。
「上等だぁ〜」
これが琉球男・名をムゲンと冷静長髪メガネ男・名をジン二人の出会いである。