13日の金曜日・G

 

 

「ここってこんなに暗いんだなぁ…。」

独り言を呟きながら、足を止めることを知らないアレンは進み続けた。

 

暗闇を怖いと思ったことは無い。

暗闇はいつも僕を見ているから。

 

どんどん進み続けると、なにやらぼんやりと光が見えてきた。

「あれっ?なんだろう…」

光を求めてはいない。

だけど体は光を求める。

近づくにつれてそれは僕の前に姿を現した。

 

 

 

 

「コムイさん!!!!!」

 

 

 

 

「あれぇ〜。見付かっちゃった。」

そう言って、コムイはアレンから何かを隠した。

「なんですかそれ?…てか何してるんですか!!」

アレンは状況が読めずコムイを問いただした。

 

「いやぁ〜別に。それより他の二人は?」

コムイは何とかごまかそうと逆に質問した。

「あっそうだ!!一人で怒りながら歩いてきたから忘れてました。」

閃いたようにアレンは手を打ち付けた。

 

「何で怒ってたの?」

コムイはちょっとずつ話題を逸らしていく。

『ふっアレン君たら単純だなぁ〜。』心で呟きながらコムイは真面目な顔をして言った。

 

「二人がいつまでもケンカするからです。」

ちょっと寂しそうにアレンはぼそっと言った。