13日の金曜日・E

 

 

――じー

 

神田の行動らしからぬ行動だった。

ラビとアレンをじーと見つめているのだ。

「「プッ」」

「な…?!」

神田がすごく可愛く見えて、二人は噴出してしまった。

 

 

「お前らぁ!!!!背を正せ!!!」

 

「さすが…日本人…正座…キツいッす…」

苦笑い気味に二人は、神田に訴えた。

「ふんっ。お前らには忍耐がたりねぇ〜んだ。」

 

…チッ

心の中でラビは舌打ちをした。

「なぁユウ…。お前さっき何考えたんさぁ」

にやっと嫌な笑いを浮かべてラビは神田に問いかけた。

「?!」

神田は気まずそうに視線をそらした。

「なぁ…何考えたんだよ。」

ラビはこれでもかというほど神田に近づいて話した。

 

神田とラビ…なんでそんなに…

どちらも殺気に満ちている気がするのは僕だけなのかな…?

「ねぇ、そろそろ離れたらどうですか?」

耐え切れず、アレンは口を挟んだ。

 

ラビと神田が近づいた時は少しムッとした。

どっちに?って聞かれたら答えに困る。

だけど、ちょっと嫌だったんだ。

 

でもこの光景って幸せだな…

僕がクスクスと笑っているのを発見した二人は、いつの間にか僕の周りを囲んでいた。

「何笑ってるんさ。」

とラビはニヤッとして僕の肩に手をかけた。

「…おぃ!!」

と神田はいいながら、ラビの手を払った。

 

「…なんか幸せですね。」

そうアレンは口に出し、またニッコリと微笑んだ。

 

その笑顔にどれだけの人が心を奪われるかを知らずに……