13日の金曜日・C
何かユラユラと揺らめきはじめた。
「何なんですか?!」
とアレンは囁いた。
「知らんさぁ!でもなんかやばそうさぁ…動けるか?」
とラビは“何か”から目を離さないように囁いた。
徐々に近づいてくる“何か”。
少しずつ形がはっきりしてきた。
そう…人型へ…
「…ら…ラビ…何か持ってる!!」
相変わらず小さい声で後ずさりながら言った。
その“何か”は手に何か長いものを持っていた。
「な……?!」
言うか言わないかの前にラビの口は“何か”に塞がれていた。
もちろん手で…
「んん!!!」
「ラビ!!!」
声を張りラビの下へ行こうとした。
…が、アレンの前に長いものが差し出され、徐々に圧されていく。
「あの…えっと…何なんですか…?」
アレンは戸惑いながら問いかけた。
“何か”は揺らめき、ボソっと何かを言った。
「・・・・・・・・・」
「え?何ですって?」
アレンは聞こえなかったと言わんばかりに声を張り上げた。
「何してたんだ!!!」
ポカーンと二人は固まった。
でかい声だっただけじゃない。
その声の主に気づいたからだ。
「神田?!」
「ユウ?!」
二人の声は重なり、響いた。
名前を呼ばれた本人は少し居心地が悪そうに、長いもの=刀を納めた。