13日の金曜日・A
「逃げるって何からさぁ〜。」
とにかく、しらばっくれてこの状態を何とかしなければ!
そう俺は思っていた。
「この状況からです!」
アレンはさらりと言い返してきた。
おいおぃ、そんな直球なぁ〜。
「どんな状況さぁ〜。」
そう俺が言うと、アレンは立ち上がっている俺の後ろを指差した。
「?!……コムイ&その他!何してるんだよ!!」
俺の後ろには聞き耳を立てている面々がいた。
「この状況ってこのことか…俺はてっきり…」
「てっきり何ですか?」
「いや…なんでもないさぁ〜。」
腑に落ちなそうな顔をしたアレンを他所にラビはコムイたちを見据えた。
「なぁ〜にしてんのさぁ〜。」
顔に怒りマークを貼り付け近づく。
「何怒ってんのラビ君…んじゃ後よろしく。」
そういって、コムイたちは小屋から出て行った。
「出て行っちゃったさぁ〜。」
小屋に残された二人。
こうやって小屋を見渡すと、広々として寂しかった。
「でも、何で出て行ってしまったんでしょうか。主催者なのに…」
アレンは顎に手をやり、いかにも悩んでますって顔をした。
「・・・」
もしかして、俺のために…
そんなことが頭をよぎる。
でもなぜだ………
「あぁ〜〜〜〜!!」
「何ですか??」
アレンはいきなり大声を張り上げた俺に向かって言った。
「そうか。リナリーへの危険物質排除計画か!なるほど…」
?が抜けない顔でアレンは俺を除き見た。
「大丈夫ですか?」
…うぅ。溜まらん。
「アレェェェ〜〜〜ン!」
――ガシッ
叫びながら抱きついた。
「?!何ですか!!!」
アレンは払うことをせずに言った。
「いただきますさぁ〜。」
ニコニコ笑いながら、ラビは言った。
「へっ?」
疑問でいっぱいのアレンは固まり、身を任せてしまった。
その時、肩筋へラビの唇が触れた。
――ビクゥッ
「…ん。」
甘い声がアレンの口から吐き出され、ラビの行為は勢いがついた。