木曜日。

カウントダウンは始まっていた・・・

 

 

 

13日の金曜日・@

 

 

 

 

 

「アレン!!明日行くよなぁ?」

俺はアレンを見つけてはよく声をかけていた。

「えぇ、ラビも行きますよね。一緒に行きますか?」

笑いながらアレンは俺を誘ってきた。

無意識な誘いなんだろうが、俺にはドキッとする言葉だった。

「?!……行く。」

少しの動揺は見せたが、なんとか返せた。

アレンは可愛い顔して意地悪だ。

俺の反応を見て楽しんでいる。

 

「ところで、明日誰が来るか知ってますか?」

アレンは気が済むまで笑うと聞いてきた。

「さぁ?コムイが主催さぁ〜。だったら皆くるんじゃないさ。」

俺は思ったことを言った。

「…そもそも何のための合宿なんでしょうか。嫌な予感がしてたまらない。」

アレンは顔を曇らせ言った。

そうなのだ。

コムイはおとといの夜、いきなり皆に言い渡した。

『13日、合宿するから強制参加ね。』

さらりと強制といえるのはアイツしかいない。

 

そんなこんなで、俺達は12日から指定されたところへやってきた。

――ヒュ〜〜

風が俺達の前を吹き抜ける。

「こ…こですか…?」

アレンは不満を露にしながら俺の方を見て言った。

「…みたいだな。」

俺に不満を吐き出すなよ…

そんな感じで俺達は不満たらたらで目の前にある小屋を見つめていた。

 

随分山奥なんだなと思っていたら…

さすがコムイ。こんな小屋で何をするのやら…

「遅いぞ。アレン君と…ラビ。」

なんで俺は君無しなんだよ。という問いは置いといて、

「今日は何があるさぁ〜?」

と俺は聞いていた。

「あっ言ってなかったっけ?親睦会だよ。」

さらっと言った。

この山奥でどんな親睦会するんだよ。

すでに小屋に入っていた仲間、俺達はそろって心の中で突っ込んだ。

 

そんなこんなで中に入ると、すでに何人かの人たちがいた。

「アレン、何か疲れたさぁ〜。」

俺はそういいながら、アレンの肩に頭を預けた。

「何してるんだすか!気持ち悪い。」

と言いながら、俺の頭を払ったりはしない。

むしろ笑っている。

 

そこがまた堪らない。

どこまで俺を弄ぶんだよ…

心で愚痴りながらも心地よいぬくもりに身を預けた。

「ラビは甘えるの好きなんですか?」

俺だけに聞こえるように小さな声でアレンは言った。

「あっ?…アレンの前だけさぁ〜。」

冷静さを保ちながら俺は言った。

実際心臓はバックバクだった。

「…」

無言の反応に不安が募った。

俺は頭を上げ、アレンを見た。

 

――?!

 

「どうしたさぁ〜?」

焦りながら俺はアレンに手をかけた。

なぜか息を詰めているアレン。

何がなんだかわからず、パニくる。

「…ふぅ〜。何でそんなことさらっというんですか!」

今度は顔を赤くしてアレンは俺を見上げた。

・・・なんで無意識にこんな顔するんだよ!!!

――やばっ

「俺…ちょっとトイレ。」

と席を立とうとすると、アレンは俺の腕を掴んで椅子へ戻した。

「逃がしませんよ。」